『学習の友』新連載
2025年1月号~12月号(全12回)
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タカ派改憲派の代表格と言える人物が首相となり、新たな改憲派政党も登場しきている現在、憲法学習がますます重要となっています。『学習の友』 では憲法に関する基本的な問題・論点を深め、国民とくに青年の素朴な疑問に答えることをめざす連載を開始します。人類の英知としての憲法の意義、それをつくり出した人民の「運動」、その運動を支えた「思想」。原点をふまえ、一歩一歩、ともに学びましょう。
連載予定(いずれも仮題です)
第1回(2025年1月号)
近代憲法成立の意義―人類の「多年にわたる努力」
小沢隆一 (憲法学者・東京慈恵会医科大学名誉教授)
近代憲法の基本的人権・国民主権・権力分立の原理の意義を確認し、それが「人類の多年にわたる努力の成果」として生まれてきたことを明らかにする。
第2回(2月号)
「1848年」という時代― 『共産党宣言』 の頃の憲法と人民のたたかい
小沢隆一
ヨーロッパ諸国で同時多発的に憲法変動が生じた「1848年」、当時の人民の闘いと憲法との関係について確認し、科学的社会主義誕生の意義を考える。
第3回(3月号)
明治憲法ができるまで、明治憲法下での人民のたたかい
小沢隆一
俗に「日本近代の夜明け」と称される明治維新の意味を明らかにし、自由民権運動の弾圧の上に制定された明治憲法とそれに抗してたたかわれた人民の運動と憲法原理について考える。
第4回(4月号)
日本国憲法の成立 「押しつけ憲法」論を問う
柴山敏雄 (勤労者通信大学教科委員)
敗戦による明治憲法体制の崩壊ののち、占領下で進められた明治憲法改正という手続きを経た日本国憲法誕生の意義を説き明かす。
第5回(5月号)
憲法9条と改憲・再軍備の始まり
―国連憲章と日本国憲法、講和・安保締結と自衛隊
小沢隆一
「戦争のない世界」を目指した国連とほぼ同時に生まれた憲法9条、にもかかわらず「アジアの冷戦」の契機となった「熱戦」としての朝鮮戦争の問題を再確認し、講和・安保締結、自衛隊設置の意味を考える。
第6回(6月号)
憲法9条と安保・自衛隊の戦後史
山田敬男(現代史家・労働者教育協会会長)
1950年代から60年安保を経て、今日に至る9条と安保・自衛隊の歴史を憲法裁判などの人民のたたかいをまじえて振り返る。
第7回(7月号)
戦後における自由と民主主義のたたかい① 生存権・働く権利をめぐって
兵頭淳史 (専修大学教授)
戦後の労働運動、社会保障などの生存権獲得運動などの歴史を振り返り、憲法25条、27条、28条の現代的意義を考える。
第8回(8月号)
戦後における自由と民主主義のたたかい② 平等と個人の尊厳に基づく家族制度
杉井静子 (弁護士・労働者教育協会副会長)
憲法24条の「個人の尊厳と両性の本質的平等」に立脚した家族制度の実現を求め続けてきた運動の歴史を踏まえ、現在を考え未来を展望する。
第9回(9月号)
戦後における自由と民主主義のたたかい③ 国民主権と選挙制度 選挙運動の自由
五十嵐 仁 (法政大学名誉教授・労働者教育協会副会長)
日本国憲法が樹立した国民主権にふさわしい選挙制度や政党政治、選挙運動のあり方とはいかなるものか。戦後政治史のなかから考える。
第10回(10月号)
司法の独立を守り、より良き司法をめざすたたかい
青龍美和子 (弁護士)
日本国憲法の精神を体現した司法の実現を目指す法律家、それを抑え込もうとする支配層と裁判官への官僚統制を振り返り、より良き司法の実現を展望する。
第11回(11月号)
新自由主義政治に抗して―地方自治・教育・大学について
長尾ゆり (元全労連副議長・関西勤労協副会長)
地方自治・教育・大学の分野で顕著に現れてきた1990年代以降の新自由主義政策の意味を考え、憲法に依拠してこれに抗する政治のあり方を模索する。
第12回(12月号)
自衛隊の海外派兵・安保体制強化と9条改憲
小沢隆一
今日の自衛隊の海外派兵・安保体制強化と9条改憲に対抗する運動の歴史的意義を明らかにし、平和なアジアと世界を展望するなかでの憲法の意義を考える。