2025年8月号
戦後80年 歴史に学び、平和と国際連帯を求めて
定価550円(税込)

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戦後日本は日本国憲法のもと、平和を守り、武力で他国民を殺すことはありませんでした。しかしアメリカと軍事同盟をむすび、国内の米軍基地の存在を許し、アメリカの指示のもとで自衛隊をつくり増強してきました。
また歴代の自民党政府は、戦前の日本の侵略戦争の加害責任、植民地支配の責任を公式に認めようとせず、被害国の国民が納得するような反省、謝罪、補償をしてきませんでした。
今号は戦後80年の現在、国内外の情勢と、連関する歴史的課題を考えます。
●労働組合の実践として、ふたつの報告を掲載します。
アメリカによる戦争の危機がせまるなか、北海道の大地で展開される日共同演習監視行動(道東勤医労)。そして非正規労働者が積極的に参加する平和活動(おおさかパルコープ労組)です。
●トランプ政権は、国連憲章や戦後国際社会のルールを無視して暴走しています。日本はこれまでのようにアメリカ言いなりでよいのでしょうか。(増田論文)
●日本には平和で平等な国際秩序づくりへのイニシアテイプが求められます。カギとなるのはアジアとの連帯。特に新たな労働者連帯の可能性を探リます。日本の労働条件を改善することも、アジア民衆への連帯の一歩。(太田論文)
日本にも排外主義が台頭するなか、深い歴史認識が問われます。
●沖縄戦、自民党西田発言の歴史修正主義。それを生み出す土壌は何か。戦争体験の継承を。そして沖縄で軍事基地化と貧困化が同時進行する今、「平和と生活」を結びつける視点が大切です。(秋山論文)
●日本帝国主義のアジアでの加害責任、植民地支配の責任を問い続けることも課題です。(愼論文)
●また日本のみならす、世界の帝国主義と植民地主義の歴史、そして植民地責任について、今こそ学びましょう。(木畑論文)
私たち労働者に求められているのは、歴史に学び、平和運動と新たな国際連帯への一歩を踏み出すことではないでしょうか。
北の大地で、日米共同演習を監視する――平和と〝地域の暮らし〟を守る労働組合
道東勤医労書記長 三坂敬一さんインタビュー
生協の配送現場から、平和運動へ――組合の要求運動と平和活動
おおさかパルコープ労組執行委員・平和部会委員 西川アヤさんインタビュー
トランプ政権をどうみるか――日本の課題
法政大学教授 増田正人
新しいグローバル連帯の模索――東南アジアの労働実態と運動
神戸大学教授 太田和宏
沖縄から見た戦後80年――生活・労働と平和
沖縄国際大学准教授 秋山道宏さんインタビュー
日本帝国主義の(朝鮮への)加害責任 戦後80年と日韓基本条約締結60年――日本の植民地支配責任の所在
法政大学教員 愼 蒼宇
近現代世界と植民地主義――支配した側の国々が責任を問われる時代へ
東京大学・成城大学名誉教授 木畑洋一
被爆80年――文学者の被爆体験作を読む
文芸評論家 澤田章子
知っておきたい「アジア・太平洋戦争」のまめ知識
編集部
連載 憲法そもそも論講座
戦後における自由と民主主義のたたかい②
平等と個人の尊厳に基づく家族を求める戦後の歩み
弁護士・労働者教育協会副会長 杉井静子
連載 ジェンダーの視点から戦後女性労働運動をふりかえる
「同一価値労働同一賃金」原則をどう実現していくのか
早稲田大学名誉教授 浅倉むつ子
かがやいています 民族歌舞団・荒馬座の三浦直美さん
民族歌舞団・荒馬座事務局 岡 宏司
あったかほっこりの労働運動
憲法解釈は所管外?
原冨 悟
まんが おかしい世界 HIRO
川柳「砂時計」 笑い茸
連載 ジェンダー問題を考える
戦争とジェンダー
弁護士 青龍美和子
シリーズ 貧困の現場から
「労働組合に近い人」と言われて 声を上げる人が排除されていく
ジャーナリスト 藤田和恵
グローバルに見る
ITUC「2025世界権利指数」――日本は「権利侵害がくりかえしおこなわれている国」
労働者教育協会理事 筒井晴彦
労働者教育協会第65回総会/新会長 ご挨拶 五十嵐仁
学習教育運動――沖縄県学習協会を5月に設立 嶺間信一